抗菌薬 クラビット

クラビットの作用と効果

クラビットとは、細菌による感染症に対して用いられる薬で、第一三共株式会社が製造・販売しています。
有効成分はレボフロキサシンで、感染症の原因となる細菌のDNA複製を阻害することによって
殺菌的に作用します。
その作用は強力で、一般の細菌以外でも炭疽菌、ペスト菌などまで殺菌効果を有することが
分かっています。

 

レボフロキサシンの適応疾患としては、肺炎・慢性呼吸器病変の二次感染・腸チフス・
パラチフス・炭疽・ブルセラ症・ペスト・野兎病・Q熱・膀胱炎・皮膚感染症・胆管炎・
胆のう炎・子宮と付属器炎などの細菌による感染症です。

 

クラビットは本来、インフルエンザウイルス自体には効果がないのですが、
細菌による合併症や二次感染や重症化の予防のために処方されることはあります。

 

またクラビットは大変即効性があり、これまで治療が難しかった難治性の感染症にも非常に効果的です。

クラビットの服用方法

クラビットは、淋病、クラミジア、咽・喉頭炎・中耳炎・副鼻腔炎・扁桃炎などに効果を示します。

 

クラビットは、主成分として500mgを1日1回服用します。
重症の場合などは、主成分として1回200mgを1日3回服用することができます。
ただし、症状によって用法用量が異りますので、事前に医師に判断を得てください。

 

飲み忘れた場合は、すぐに1回分を服用してください。
決して2回分を1度に、または短時間内に飲まないで下さい。
自己判断で服用量や服用回数を変更したり、服用を中断しないでください。

 

小児や妊婦、妊娠している可能性のある女性は医師の指示なしに服用しないでください。
またクラビットの成分レボフロキサシンに対し、過敏症の既往歴がある方や
他に服用中の薬がある場合は、必ず医師に相談して下さい。

クラビットの副作用

クラビットの副作用として、発疹、不眠、めまい、頭痛、吐き気、嘔吐、下痢、腹部不快感、
腹痛などがあります。

 

また、かゆみ、じんましん、光線過敏症、意識障害、末梢神経障害、腎機能異常、血尿、
肝機能異常、貧血、口やのどの渇き、動悸、胸が痛い、胸の不快感がする、脱力感、耳鳴り、
味覚異常、視覚異常、嗅覚錯誤、低血圧、頻脈、関節痛、胸部不快感、倦怠感、四肢痛、
咽喉乾燥、発汗、むくみ、筋肉痛、発熱などの報告もあります。

 

このような症状現れた時は、医師または薬剤師にご相談ください。

 

また、ごく稀ではありますが、次のような重い副作用の報告もあります。
ショック、アナフィラキシー様症状、重い皮膚症状、けいれん、重い不整脈、腎臓の重い症状、
重い血液成分の異常、肺障害、大腸炎、横紋筋融解症(筋肉痛、脱力感など)、
低血糖、アキレス腱炎、腱断裂(腱周辺の痛み、むくみなど)、幻覚、錯乱、うつ等の精神症状、
過敏性血管炎(発熱、腹痛、関節痛、など)、重症筋無力症の悪化(筋力低下)。

 

このような場合は、直ちに使用をやめ、医師の診療を受けてください。
上記以外でも気になる症状が出た場合は、医師または薬剤師に相談してください。

 

エノキサシン、フルルビプロフェン、フルルビプロフェンアキセチル、
ケトプロフェンなどの薬剤とを併用すると、けいれんが発症することがあります。

 

これらの薬剤以外でも、併用すると危険なものがありますので、
服用の際は必ず医師に相談してください。

クラビット錠が有効な膀胱炎とは?

膀胱炎は、慢性の場合や急性の場合などのタイプがありますが、
大部分は細菌の感染により起こるものです。
膀胱の粘膜に炎症が起こる病気で、尿を溜めたり、
排尿するといった膀胱の働きに支障が出てしまいます。
膀胱炎の原因となる菌は、80〜85%が大腸菌によるものです。

 

膀胱炎は女性に発症しやすい病気です。
女性の身体の構造が関係しており、尿道が短いこと、
尿道口が細菌が繁殖しやすい膣や肛門に近いことなどが挙げられます。

 

主な症状として、トイレに行く回数が増える、排尿後に痛みがある、残尿感がある、
尿の色が白いまたは血が混じっている、などがあります。

 

クラビットの成分(レボフロキサシン)は主に細菌による感染症に有効で、
膀胱炎になり病院を受診した際に、クラビット錠が処方されます。
個人差はありますが、飲み始めて1〜2日で症状は落ち着き、1週間程で症状は改善します。

 

症状が悪化すると、細菌が膀胱から尿管を伝わって上にあがってしまい、
腎盂腎炎を引き起こすこともあるため、早期対応が重要といえます。

 

一度発症してしまうと、再発することも多いため予防と治療を心がけるようにしましょう。

クラミジアの原因と症状

クラミジアは日本でも、世界においても、最も多い性感染症(STD)と言われています。
無症状のまま感染する人が増加しており、特に若い女性に急増しています。

 

クラミジアは、0.3ミクロン程度の非常に小さな細菌で、クラミジア・トラコマチスという
細菌とウイルスの病原体によって発症します。
人の細胞に感染すると、細胞内で分裂し増殖を行いますが、2〜3日程度で増加し細胞を破壊します。
その後、外へ放出されたクラミジアは他の細胞へと入り込み、ますます繁殖していきます。

 

男性が感染した場合、排尿痛、尿道炎、尿道からの分泌液、
尿道のかゆみや不快感などの症状がでることがあります。
女性が感染した場合、子宮系の病気(子宮頸管炎・子宮内膜炎・子宮付属器炎等)を発症します。
子宮頸管炎は症状が少なく、感染した女性の8割程は無症状とも言われています。

 

そして男女ともに、クラミジアの感染によって不妊のリスクが高まるということがわかっています。
クラミジアに1度感染すると、将来不妊症になる確率が20%ずつ上昇するという報告もあるほどです。
ですから、早めに発見し治療する必要があります。
治療としては、抗生物質を2週間程服用した後、検査をして陰性になっていれば問題ありません。